21世紀 市民のメディアを考える

現代社会において、政治・経済情報の広範な伝達にマスメディアの存在は必須であり、マスメディアなくして現代の民主政治は存立しえなかった。近代における民主主義社会は、新聞をはじめマスメディアの発達によってこそ可能であったといえる。 不特定多数の受…

ベトナム友好訪問――1974年11月16日~27日――

☆ベトナム友好訪問は1974年11月16日~27日にかけての12日間、私にとっても初めての海外旅行だった。思えば、長く続いたアメリカによるベトナム侵略戦争であったが、折しもこの4月30日は、サイゴンの南ベトナム傀儡政権がついに敗走し解放戦線による臨時革命…

ベネルクス三国は、山岳地の多い日本とは違うが、その文化は?

☆ベネルクス三国は、国土は狭く(北海道ほど)人口密度は非常に高い。山岳地の多い日本とは違うが、その文化はどうだろうか? ☆来年は私たちも結婚50年を迎えるが、金婚式の代用で今回のベネルクスを思い立ったのも、普段歩かない罰で来年ではほんとに歩けな…

遊びを通した共感体験と、領域感を育む場の喪失

四年前の秋、「イオンタウン金沢示野」へ孫たちの家族と夕食に出かけた。夕方の六時ごろ、駐車場は超満員の「別世界」で驚いたことがある。 知らなかったのは私だけで、ここは二〇〇六年に開業の、グルメ(一〇店)・ファッション(七店)・雑貨(一五店)・…

居住地区は『生活の空間』―子どもたちに遊びの場を―

◇わがまち探訪◇ 居住地区は『生活の空間』―子どもたちに遊びの場を― 永山孝一 かつて街の「通り」は余程の大通りでない限り縁台を出しての夕涼みや、子どもたちは独楽をまわし竹馬に乗ったりで、通行専用ではなく日常の生活に不可欠な「多目的」な屋外空間だ…

志位さんの記者会見を読んで

志位さんの記者会見のニュース(9月6日朝日)を読んだ。全く同感の内容だった。 朝日の記事では、「…気候変動、地震の両面で、政治が知恵と力を尽くしていくことが党派の違いこえて必要な時期に来ている」と結んでいた。 * * 今にも西の方から「ミサイルが…

地域の生活空間と子供の遊び場

――特に、日常の生活領域において何が大切かを考えてみる―― ・「顔見知り度」の高い街へと転換 心理的な危険が排除されやすい「通り」機能の回復を重視――元来、「通り」 は多面 的な生活行動の場であった。 ・地域を「住みよく」つくり変える 住民自治の前進―…

わがまち探訪・『藩政期の金沢』から

昨今「地方創生」の掛け声ばかりが聞こえてくる。置き去りにされてきた地域経済と市民生活の窮状が背景にあるからだろうか。そこで、バブル崩壊から三〇年になろうという金沢の中心市街に目をやると、かつての金融街はいよいよ消滅しつつあり、ホテル・マン…

社会を根底から揺るがす労働力の「萎縮」

幼きこどもたちは、その街に育ち、青年から壮年へ働き手として成長し、年寄りは老いてゆく――その社会における労働と生産の様式は、歴史的に形成され発展するにつれ、家族の関係や住まいの形成とともに、あるべき地域・都市が構想され、造り上げられてきた。―…

『豊かさへ もうひとつの道』を読んで

『豊かさへ もうひとつの道』暉峻淑子・著(かもがわ出版)は、金沢の『資本論』学習会で紹介してもらい、座右において学んで久方ぶりに感銘を受けた著作です。特に印象深かった部分(紙幅の都合でその一部)から抜書きしましたのでご紹介します。 * * も…

「尾山」の頂に曲水が設えられ

ゴールデンウイーク前の日曜日。「兼六園に行きたい」と孫が言うので、またとない快晴に誘われて、早朝は入場無料である特別名勝に着いたのは午前六時。観光ガイドにも紹介される「曲水のカキツバタ」にはまだ早かったが、早暁の陽射しに輝く日本最古と言わ…

ミニメディアを地域に

個性豊かな地域社会を願い、暮らしと平和を育んできた私たちの地域は、15年戦争をも含む長い歴史のうえに築かれてきました。いま、地域の平和と歴史に暗黒の時代の再来を狙う、憲法9条の死文化が画策されています。この策謀を押し止め、新しい時代を切り…

いつの時代でも価値ある建築芸術は、

いつの時代でも価値ある建築芸術は、子どもの手に掴まれた糸がするすると伸びて大空に凧が上がるように、それを大地に引いている糸の緊張によって芸術の世界に飛翔したのである。時に、糸を断ってひとときの自由を求めた建築作品もあったが、その弱々しい光…

時間は人間発達の場

「命とは自分が使える時間。その時間を少しでも自分以外の人のために」と語り日野原重明さんが一〇五歳で亡くなられた。 いま、わが国では、家庭と職場、都市と農村、国と地域など私たちの生活するあらゆる場面で、人間と労働の尊厳が踏みにじられ、目を覆う…

提言:学校の教室など主要室を木造の床に

国と自治体の事業として、小・中学校の教室・廊下など主要室を木造の2重床に改善することを提案します。私たち日本人は、古来山々に囲まれ生活してきました。山麓の広葉樹林を歩くときの、その柔らかな感触を知っています。 いま、日本の子どもたちの置かれ…

松川事件を記憶遺産に

松川事件を記憶遺産に―― 東京新聞 2017年6月19日私説・論説室から(転載) 戦後最大の冤罪(えんざい)は松川事件であろう。一九四九年に福島県内で起きた列車転覆事故である。線路継ぎ目のボルトが緩められレール一本も外され、転覆するように仕組まれてい…

〝それでも地球は動く〟

金沢・革新懇の事務局から依頼がありましたので、先日、発行された 『非核・いしかわ』6月号〝編集室から〟の拙稿に加筆してご紹介します。 * * ガリレオ・ガリレイのつぶやき〝それでも地球は動く〟(宗教裁判『異端審問』)は子どもたちも知っている。 …

人口予測と住宅需要

人口予測と住宅需要――2030年には人口が8000万人(高齢化率39.9%)と推計されています(「国立社会保障・人口問題研究所」)。従って15年後には、現在の800万戸の空き家が2100万戸を超え、3戸に1戸が空き家となることが予測され、新し…

『亡国招来』法案

参院法務委の「共謀罪」法案についての参考人質疑(6月1日)での松宮孝明・立命館大学教授の陳述によれば、「…広く市民の内心が捜査と処罰の対象となり、市民生活の自由と安全が危機にさらされる戦後最悪の治安立法となるだけでなく、実務にも混乱をもたら…

市民メディアの発動で

市民メディアの発動で ――9条改憲を阻止し、民主的な地域へ変革を―― 9条改憲を阻止し、貧困も、格差も、生活不安もない社会を実現する力は、私たち国民の連帯です。憲法改悪を狙う反動的な動きを打破するうえでも、いま、私たちの日常生活圏から市民のメデ…

平成 浅野川氾濫

第1幕 それは、昭和28年・浅野川氾濫 古来「治水」は住民の営みである(註1)。思えば少年時代の私にとって、昭和28年の浅野川氾濫はその第1幕だった。「浅野川大橋をのぞき全橋が流失」(『石川の土木建築史』)(註2)。――上流からは崩壊した木造の橋や大…

『金沢のまちづくりはどうあるべきか』

『城下町金沢』など遺作の多い田中喜男先生(経済学博士)も『金沢のまちづくりはどうあるべきか』(転載)で――「当時、江戸は人口130万人(ロンドンも130万人)で、都市と農村の協調型であり金沢も同じである。農村が都市を育ててきたが、その逆では…

萌えいづる春

前略 萌えいづる春 なにかとご多用のことお見舞い申し上げます。 西国巡礼とかで、妻が友人と一緒に出かけてしまい勉強するしかなく、骨休めにこんな近況報告も如何かと思いつつ筆をとりました。 実は、いま読んでいる「シリーズ日本近世史①~⑤」(岩波書店)…

「傷つきやすい心」を忘れた科学者の慢心

編集 『非核・いしかわ』花鳥風月より その頃は、うたごえ運動も盛んで「みたび許すまじ原爆を/われらの街に…」とよく歌った▼そして、私には今も忘れないもう一つの言葉がある。45年前、金沢で開催した建築講演会の質疑応答で、敬愛する山本学治先生(東…

市民に愛される街には 素敵な公共交通が必要

〝輪島の公道で電動カート自動走行〟の記事(朝日)を見て、若者に愛されるキューバの〝まち馬車〟を思いだしました。市民に愛される街には 素敵な公共交通が必要ですね! 石川)輪島の公道で電動カート自動走行 記者も試乗体験 ――板倉吉延 2016年11月16日03…

固有性の発揚こそ地域発展の要

エメラルドグリーンとマリンブルーの海、パウダースノーの真っ白なビーチ。初めての宮古島の大景観に見とれ、久方振りの日焼けに遭ってしまった。沖縄本島からは南西に300㎞。面積204平方㎞の三角形の島。人口55000人の大部分は港がある平良地区…

問われる都市の品格

www.chunichi.co.jp 都市の品格 ―「上空通路」が論議される金沢市に想う― ♪二つの流れ遠長く 霊沢澄んで涌く所 甍の数の日に添ひて 自らなる大都会 http://www4.city.kanazawa.lg.jp/data/open/cnt/3/3639/1/sika.pdf 小さい頃から親に聞かされてきた。「二…

都市の個性こそ金沢の未来

わが国が「新幹線時代」と言われた1964年からすでに半世紀が過ぎ去った。そして、今、ようやく金沢にもその「新」時代がやってきたのである。2015年春から、街の中心部に(限れば)観光客は増え、兼六園などではかつての高度成長期のように入場者が…

二つの流れ

♪二つの流れ遠長く 霊沢澄んで涌く所 甍の数の日に添ひて 自らなる大都会 http://www4.city.kanazawa.lg.jp/data/open/cnt/3/3639/1/sika.pdf 小さい頃から親に聞かされてきた。「二つの流れ」に畏敬の念を抱くのは金沢に育った人たちに共通の心情。こうした…