固有性の発揚こそ地域発展の要

    エメラルドグリーンとマリンブルーの海、パウダースノーの真っ白なビーチ。初めての宮古島の大景観見とれ久方振りの日焼けに遭ってしまった。沖縄本島からは南西に300㎞。面積204平方㎞の三角形の島人口5500人の大部分は港ある平良地区に集中している。東に平安名が太平洋に突き出し、北に池間島と 西平安名、南に与那覇前浜と来間島、西に伊良部・下地島渡る伊良部大橋の大景観など見ものだ。

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    日本一のドライブスポットの売り込みで昨年の1月開通したばかりの伊良部大橋(全長3540mで通行料金なし)を渡る。佐良浜港にレンタカーを停め、エー ジェント企画によるボランティアガイドの案内で、傾斜地に建つ佐良浜の街並と漁師の住まいを訪ねた。御嶽信仰や水を尊ぶ習慣、自然の猛威と住民の結束、地区成立の歴史やカツオ一本釣り漁、ソロモン諸島まで出掛ける南方漁業のことなど、楽しくお聞きすることが出来た。

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    羽田空港からの直行便も3月から就航し、島は観光受け入れ施設の建設で盛り上がっている。平坦な島で本土のような清流はないが、飲料水は琉球石灰岩層の豊富な井戸水を利用している。金沢も南は有松貴船神社から、北は鳴滝神社での弁慶の話のように、街づくりの根幹には「水」がある(註)。良浜の密集した街を歩くと、米軍戦闘機が落とした燃料タンクを天水桶に利用していた。人の住むところ形は違っても共通の原理平和と安全を願うの大切さを教えられる旅だった。                       

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 金沢・北国街道北端の大樋町には鳴滝神社弁慶が滝の水を汲んで飲み「鳴るは滝の水」と詠ったというが、南端の有松には貴船神社〔京都鞍馬に総本社。祭神は水の神様〕があり水を尊んだ往時のまちづくりが偲ばれ。(木構造文化と町家・町屋―金沢」)