ミニメディアを地域に

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 個性豊かな地域社会を願い、暮らしと平和を育んできた私たちの地域は、15年戦争をも含む長い歴史のうえに築かれてきました。いま、地域の平和と歴史に暗黒の時代の再来を狙う、憲法9条の死文化が画策されています。この策謀を押し止め、新しい時代を切り開く力はどこにあるのでしょうか。

 地域・職域では9条の会(2004年設立)や革新懇(1991年設立)など貴重な活動が続けられてきましたが、マスメディアは必ずしも地域住民の立場からこの逆流に効果的に反撃し得ずにいると思えます。このような局面において最も大切なことは、地域住民が創意を凝らして地域の明日を切り拓くこと、即ち、平和を希求する住民の『連帯』にありますが、この『連帯』への基礎的な力はどこから生まれるか。それは、地域に暮らすという共通の土壌、即ち『住民自治』への志向にあると言わねばなりません。

 ひとつの事例として、ここに地域9条の会の「会報活動」に注目したいと思います。寺町台9条の会では、会報『9条・通心』が創刊以来37号となっています。会報に意見を述べることは、会員である住民が地域の明日を描くことでもあり、それを通して地域の連帯は強まってゆく。私の知る限り、金沢ではこのほか小立野・犀川ロード9条の会の会報では、地域の有志の貴重な意見が紹介され注目されます。いま、金沢ばかりか全県下で、平和を希求するミニメディアが創意を凝らして発動するならば、現実の事態を明るい未来に向けて切り拓く確かな力になると思います。

                  寺町台9条の会 永山孝一(2017.08・10)