「尾山」の頂に曲水が設えられ

  ゴールデンウイーク前の日曜日。「兼六園に行きたい」と孫が言うので、またとない快晴に誘われて、早朝は入場無料である特別名勝に着いたのは午前六時。観光ガイドにも紹介される「曲水のカキツバタ」にはまだ早かったが、早暁の陽射しに輝く日本最古と言われる噴水に見とれる女性があり、お聞きすると群馬からとのことで、兼六園の見どころの一つをご紹介しました。

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 小立野台地の「尾根」に設けられた辰巳用水により「尾山」の頂に曲水が設えられ、霞ヶ池との落差3.5mを利用した日本最古と言われるこの噴水や翠滝なども、お濠や総構えと合わせ見どころの一つなのです。池やお濠の底には西念(金沢駅西)の「青ネバ」と言われる粘土が張り付けられたと聞いています。また、「尾山」の地名は、加賀藩となり兼六園が出来る以前から、浄土真宗の「尾山御坊」があった場所であることも付け加えておきました。

 兼六園の名前の由来について「兼六園めぐり」によると、その意味は「広々としていれば(宏大)静かな奥深さはなく(幽邃)、人工的であれば(人力)古びた趣は少なくなる(蒼古)。 また池や曲水や滝が多ければ(水泉)、遠くは眺められない(望)。

 つまりそれぞれ相反する景観(六勝)を兼ね備えているのは『湖園』だけである」ということです。そしてまさに兼六園がそうであるという理由で名づけられたと言われます。

 永山孝一(2018.04.22)