2017-01-01から1年間の記事一覧

ミニメディアを地域に

個性豊かな地域社会を願い、暮らしと平和を育んできた私たちの地域は、15年戦争をも含む長い歴史のうえに築かれてきました。いま、地域の平和と歴史に暗黒の時代の再来を狙う、憲法9条の死文化が画策されています。この策謀を押し止め、新しい時代を切り…

いつの時代でも価値ある建築芸術は、

いつの時代でも価値ある建築芸術は、子どもの手に掴まれた糸がするすると伸びて大空に凧が上がるように、それを大地に引いている糸の緊張によって芸術の世界に飛翔したのである。時に、糸を断ってひとときの自由を求めた建築作品もあったが、その弱々しい光…

時間は人間発達の場

「命とは自分が使える時間。その時間を少しでも自分以外の人のために」と語り日野原重明さんが一〇五歳で亡くなられた。 いま、わが国では、家庭と職場、都市と農村、国と地域など私たちの生活するあらゆる場面で、人間と労働の尊厳が踏みにじられ、目を覆う…

提言:学校の教室など主要室を木造の床に

国と自治体の事業として、小・中学校の教室・廊下など主要室を木造の2重床に改善することを提案します。私たち日本人は、古来山々に囲まれ生活してきました。山麓の広葉樹林を歩くときの、その柔らかな感触を知っています。 いま、日本の子どもたちの置かれ…

松川事件を記憶遺産に

松川事件を記憶遺産に―― 東京新聞 2017年6月19日私説・論説室から(転載) 戦後最大の冤罪(えんざい)は松川事件であろう。一九四九年に福島県内で起きた列車転覆事故である。線路継ぎ目のボルトが緩められレール一本も外され、転覆するように仕組まれてい…

〝それでも地球は動く〟

金沢・革新懇の事務局から依頼がありましたので、先日、発行された 『非核・いしかわ』6月号〝編集室から〟の拙稿に加筆してご紹介します。 * * ガリレオ・ガリレイのつぶやき〝それでも地球は動く〟(宗教裁判『異端審問』)は子どもたちも知っている。 …

人口予測と住宅需要

人口予測と住宅需要――2030年には人口が8000万人(高齢化率39.9%)と推計されています(「国立社会保障・人口問題研究所」)。従って15年後には、現在の800万戸の空き家が2100万戸を超え、3戸に1戸が空き家となることが予測され、新し…

『亡国招来』法案

参院法務委の「共謀罪」法案についての参考人質疑(6月1日)での松宮孝明・立命館大学教授の陳述によれば、「…広く市民の内心が捜査と処罰の対象となり、市民生活の自由と安全が危機にさらされる戦後最悪の治安立法となるだけでなく、実務にも混乱をもたら…

市民メディアの発動で

市民メディアの発動で ――9条改憲を阻止し、民主的な地域へ変革を―― 9条改憲を阻止し、貧困も、格差も、生活不安もない社会を実現する力は、私たち国民の連帯です。憲法改悪を狙う反動的な動きを打破するうえでも、いま、私たちの日常生活圏から市民のメデ…

平成 浅野川氾濫

第1幕 それは、昭和28年・浅野川氾濫 古来「治水」は住民の営みである(註1)。思えば少年時代の私にとって、昭和28年の浅野川氾濫はその第1幕だった。「浅野川大橋をのぞき全橋が流失」(『石川の土木建築史』)(註2)。――上流からは崩壊した木造の橋や大…

『金沢のまちづくりはどうあるべきか』

『城下町金沢』など遺作の多い田中喜男先生(経済学博士)も『金沢のまちづくりはどうあるべきか』(転載)で――「当時、江戸は人口130万人(ロンドンも130万人)で、都市と農村の協調型であり金沢も同じである。農村が都市を育ててきたが、その逆では…

萌えいづる春

前略 萌えいづる春 なにかとご多用のことお見舞い申し上げます。 西国巡礼とかで、妻が友人と一緒に出かけてしまい勉強するしかなく、骨休めにこんな近況報告も如何かと思いつつ筆をとりました。 実は、いま読んでいる「シリーズ日本近世史①~⑤」(岩波書店)…

「傷つきやすい心」を忘れた科学者の慢心

編集 『非核・いしかわ』花鳥風月より その頃は、うたごえ運動も盛んで「みたび許すまじ原爆を/われらの街に…」とよく歌った▼そして、私には今も忘れないもう一つの言葉がある。45年前、金沢で開催した建築講演会の質疑応答で、敬愛する山本学治先生(東…